成果につながるイベントマーケティング戦略の作り方

イベントマーケティングは、とくに競争の激しい市場では簡単ではありません。今のイベント主催者は、複数の課題に同時に向き合う必要があります。翌年の口コミにつながるよう参加者に本当の価値を提供しなければならない一方で、かつてないほど混み合ったメディア環境の中で注目も獲得しなければなりません。

イベントマーケティングには、参加者にスムーズなチケット購入体験を提供することも含まれます。チケット販売はカンファレンス収益の中心ですが、申し込み後も参加者との関係を保つための重要な方法はそれだけではありません。

次のイベント企画に役立つイベントマーケティングの事例を共有したいと考えました。そのため、ヨーロッパを代表する2つのテックイベント、リトアニアの LOGIN とエストニアの Latitude59 の担当者に話を聞きました。

カンファレンスを開催するとき、またはイベントマーケティング戦略を組み立てるときに覚えておきたいポイントをいくつかご紹介します。

1. 目の前の大きな仕事に気後れしない

イベント準備を始める時点では、会場での初日までまだ時間があるかもしれません。それでも不安はすぐに押し寄せてきます。仕事の規模に圧倒されることもありますが、それをどう捉えるか、そしてどんな人をチームに迎えるかが大きく影響すると、エストニアを代表するスタートアップ・テックカンファレンス Latitude59 の CEO、Liisi Org 氏は話してくれました。

「チームがいない状態で始めるのは本当に大変でした。チームがなければ、できることは限られます。でも最初の仲間が見つかった瞬間に、やれると確信しました。ボランティアとして参加した人もいて、最終的には Latitude59 の新しいチームは13人になりました。価値観やビジョンが合う人を見つけることが大切です。そこから本格的に動き始めました。」

Liisi 氏は、フルチームが揃う前に何ができるかを現実的に見ることが大切だと強調しました。プロセスや計画を作ることはできますが、多くのことは人が加わってから形になります。また、スキル、性格、経験のバランスが取れたチームをつくることも重要だといいます。そうすることで、より協力的な雰囲気が生まれ、全員が大きな全体像を見やすくなります。チームの共通目標は、楽しみながらこれまでで最高の Latitude59 をつくることでした。

2. 参加者に幅広い体験を提供する

たとえ B2B カンファレンスであっても、参加者は似たようなイベントにすでに何度も出ている可能性があります。近年では、参加者は職業的な成長やネットワーキングだけでなく、自分自身のウェルビーイングも支えるプログラムを期待するようになっています。そのため、マインドフルネス、メンタルヘルス、自己成長に関するトークやワークショップが、イベントプログラムの一般的な一部になりつつあります。

「Latitude59 では、メンタルヘルスを数年前からテーマのひとつに入れてきました。今回はパーパスとインクルージョンが主要テーマでした。私たちは、スタートアップの世界は単に売上を生む以上のインパクトを出せると考えています。企業は、自分たちが世界にどんな影響を与えているのかを考え始めるべき時期に来ています。」

「運営チームの多くはスタートアップ分野で長く活動してきたので、創業者、投資家、公共セクター、その他の対象グループにとって適切なテーマを見つけることができました。実践的で意味のあるステージコンテンツをつくるという明確なビジョンがありました。」 その年の Latitude59 では多様性も重要なテーマで、Liisi 氏によると、Latitude59 2022 の登壇者の50%は女性でした。翌年には、さらに他の多様なグループも含める計画でした。

リトアニアのテック・ビジネスイベント LOGIN のコンテンツマネージャーである Tomas Stasiukevičius 氏にとって、このイベントが単なるカンファレンス以上の存在になりうると実感したのは、以前の回で Apple の共同創業者 Steve Wozniak 氏が登壇したときでした。その登壇は非常に刺激的で多面的であり、運営チームに同じような瞬間をもっと生み出したいと思わせたのです。

「AI やロボティクスのような純粋なテック系コンテンツもありますが、最近もっとも注目を集めているのはウェルネスとメンタルヘルスです。創造性についても大きく扱っています。たとえテーマがテック業界と直接関係していなくても、そうした内容から人は新しい知識やスキルを得られるのです」と Tomas 氏は説明しました。

3. 明確な計画を持ちつつ、柔軟性を保つ

LOGIN のブランドマネージャーである Gabija Mirinavičė 氏は、成功するカンファレンス運営には計画が欠かせないと話します。

「大切なのは、なぜこれをやっているのかを理解することです。計画は必要ですが、固定されたものではいけません。状況に合わせて変える必要があります。」 Gabija 氏は、COVID-19 のパンデミックを例に挙げ、運営面でも参加者が関心を持つテーマの面でも、イベント計画がどれほど素早く変化しうるかを説明しました。「状況が変わったのに計画が変わらなければ、それは大きな失敗です。」

もうひとつ覚えておきたいのは、登壇者のタイプやトーク・ワークショップの形式も毎回変化が必要だということです。Gabija 氏はこう説明します。「同じテーマで20分の講演ばかり並ぶと退屈になります。だからこそ、異なる種類のアクティビティが必要です。最近はモデレーター付きのファイヤーサイドチャットが人気ですが、多すぎるとまた飽きられてしまいます。バリエーションが必要です。今の時代、コンテンツが多すぎるということはありません。少なすぎるより、多いほうが良いのです。」

4. チームを信頼しよう!

Liisi 氏、Gabija 氏、Tomas 氏の3人とも、自分たちのチームについて温かく語ってくれました。強いイベントマーケティング戦略を実行しながらチームの一体感を保つうえで、チームは欠かせない存在だというのです。

Liisi 氏にとって、マイクロマネジメントを避けることは重要な原則でした。「私はチームが働いているのを見ても、細かく口を出しません。それぞれに自分なりの『なぜ』があり、私たちはもっと大きな目標を共有しているからです。私はいつも、楽しむことの大切さを伝えようとしていました。イベント主催者の仕事はとてもストレスが大きいので、一緒に働くこと自体を楽しむ必要があります。だからこそ、自分と感覚が合う人たちを採用したかったのです。」

カンファレンス準備のチェックリストは役立ちますが、現実に即している必要もあります。「頭の中にはチェックリストがありますし、今でもノートに書き出すのが好きです。チームでは Trello を使って仕事を整理し、スタンドアップコールもたくさん行いました。大きな全体像を小さな目標に分けることは本当に役立ちます。チームにいつも伝えようとしていたのは、やりたいことは山ほどあっても、リソースを意識し、働きすぎを避ける必要があるということでした。チームの多くは別の仕事も持っていたので大変でしたが、それでも Latitude59 のチームは非常に意欲的で、この挑戦に加わってくれたことに感謝しています。」

5. 自分たちに合ったイベント管理・チケット販売ツールを使う

LOGIN と Latitude59 はどちらも、チケット販売、マーケティング、参加者管理のソフトウェアとして Fienta を選んでいます。Gabija 氏は「サービスの価格と、参加者が簡単に登録し、チケットを購入し、情報を得られる点が理由で Fienta を選びました。こうした会社と組むことで、確かなメリットを感じています」と話します。

Liisi 氏もこれに同意しています。「結果的には、ただのチケット販売以上の価値がありました。Fienta は Latitude59 を自社サイトで注目イベントとして紹介し、ニュースレターでも宣伝してくれました。本当に親身で、カンファレンス運営ではタグ付けやオーディエンスのターゲティングのような細かな点が非常に重要です。Fienta ならそれができます。」

Fienta を実際に試してみたい方は、こちらから機能をご覧ください